久しぶりのものたち(豊島)

こんばんは。最近ギターにハマってます。成人祝いに買ってもらったものの、いわゆるFの壁に阻まれて挫折したと思っていたギター。もうすぐ誕生日の甥っ子へのプレゼントが子供用ギターと聞いて、なんとなく久しぶりに弾いてみたら思ったより弾けたので(Fもいけた)楽しくなっています。弾き語りできるようになりたい。このブームがいつまでもつかわかりませんが…!


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加藤さんの染物体験、いいな〜〜〜。最近生活だったり、手仕事?への興味が増しています。アボカドでも染められるのは驚き…!私もやってみたい。次はぜひ誘ってください!


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【連続ブログ小説】

さて恒例の連続ブログ小説、第5回です。ふー。ちょっと最初の方でぶっ飛んだ設定にしすぎたのをかなり後悔していますが書いてしまったものはしょうがない!がんばるぞ!

今回のお題は「生まれ変わり」だそうですー。どぞ!


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お姉ちゃんは私の5つ年上だ。昔から頭が良くて、運動もできて、そして近所でも評判の美人だった。ただ、同時に、近所でも評判の変人だった。


例えば毎日の通学。うちの小学校は、私たちの住む家からちょうど10分くらいのところにあったのだが、お姉ちゃんは家から学校までを5分割してポイントを定め、そこをそれぞれちょうど2分きっかりで通過することに全勢力を注いでいた。


まずは家を出て、公園を抜けた先にある坂道の入り口で2分、坂道を下り切って大通りに到達するまでで4分、大通りをしばらく行ったところにあるポストの前で6分、学校の校門の前で8分、教室に入って、ランドセルを置いて席に座るまでで10分。


もし万が一途中で時間がずれてしまったら、もう一度家まで戻ってやり直し。これがお姉ちゃんのルール。だから万が一失敗しても遅刻しないように、必ず登校時間の30分前には家を出るのだった。


これをやり始めたのは、小学4年生の2月。商店街の福引で、時計のついたキーホルダーをもらって、それをランドセルにつけてからだ。お姉ちゃんは小さい頃から時計を見るのが大好きで、家にいる時もテレビなんか目もくれず、ずーっと時計の針をみていた。私には何が楽しいのかさっぱりわからなかったけど、全部が同じ間隔で動き続けているのがたまらなく綺麗って言ってた。それでランドセルに時計がついて、いつでも時計の針をみれるようになって、自分も全部同じ間隔で動いたらいつの日か時計に生まれ変われると思ったらしい。意味は全然わからないけど。


お姉ちゃんが6年生の頃に私は1年生になったわけで、最初はお母さんの言いつけで一緒に学校に行っていたけれど、靴が脱げたり、おしっこ行きたくなったり、こけたりして私がお姉ちゃんのスケジュールを乱すもんだから、お姉ちゃんがお母さんに抗議して結局別行動になった。お姉ちゃんはこのルールを、中学校を卒業するまで続けていた。流石に高校は電車通学だったからあきらめた。


他にも、家族で出かけると道端に落ちてるガムを延々と探して数えていたり、桜が舞う季節には30枚の花びらを頭に着地させなきゃ絶対帰らないと言ったり、トイレのドアがバタン!といい音で勢いよく閉まるまで何度も何度も開け閉めしたり、お姉ちゃんは私からすると理解不能なこだわりに包まれながら日々を生きていたのだった。


生きるの大変じゃない?って一回聞いたことあるけど、目標を達成するたびに喜びが溢れていつも幸せだって言っていた。


私にとっては宇宙人みたいなお姉ちゃん。お姉ちゃんだったら、あの銀色のツルツルのこと、なんかわかるんじゃないかっていう気がしている。

喫茶店で久々に読んだキャベツくんが最高でした。甥っ子に読んであげたいな〜

点と___web

加藤紗希と豊島晴香による創作ユニット[点と]のウェブサイトです。

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