【思文会】その⑦二人の気になるおじさん編(豊島)
こんにちは。最近コメディアンにあこがれています。どうやったらなれるんだろうなぁコメディアン。お笑い芸人さんじゃなくて、コメディアン。最近はまったドラマに出ていた俳優さんのWikipediaでの肩書が「女優・コメディエンヌ」となっていて、カッコいい!!!!となりました。私も頑張りたいです。
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先週の加藤さんズ妹さんの話で鳥のフンが直撃する話がありましたね。私は以前鳩の下でカバンの中身をガサガサしていて、手を出した瞬間手に白い液体がべちょっとついていたので、鳩にフンされた!と興奮して騒いでいたらカバンの中で崩壊した日焼け止めがついていただけだったということがありました。一緒にいた友達にあやまりました。
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さて、今週は思い出を文章にする会の中でも一番最近、去年末の出来事です。
実は点と結成前加藤さんにブログやりなよ~と進められたため作成した個人ブログがあって、誰一人としてアドレスを教えていない上に2回しか更新していないのですが、その中の一つをまるっと流用します。なぜなら土曜日が終わりそうなのに何も書いてないから!そしてお酒を飲んでしまったから!ごめんなさい!それではどうぞお読みください!
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【思い出を文章にする会~その⑦二人の気になるおじさん編】
年末電車に乗ったときのこと。
新宿行きの混雑した車内で運よく座ることができたので、私は小説を読もうと思ってカバンから取り出した。
左隣に座っているおじいさんが口元でなにやらモゴモゴつぶやいているのが聞こえるが、気にせず本を開く。
小説の世界にだんだんのめりこんでいくと、隣のおじいさんのモゴモゴも耳に入らなくなっていく。
しばらくして、今度は右隣りに座っているおじさんが睡魔に襲われて私の方に体重をかけてきた。
さすがに気になるのでちょっと嫌だなと思いつつ、まぁ私もこういうことはよくやってしまうので、そのまま本を読み続ける。
しかしおじさんの体重のかけかたは更に激しくなる。ちょっともう本を落ち着いてよんでいられないレベルの寄りかかり方である。
私は右ひじでクイッとおじさんを刺激する。おじさんは一瞬目を覚まして体を垂直に戻すが、こういうときに目覚めるのは容易なことではない。数分でおじさんはまた私にもたれかかってくる。
どうしたもんかなぁと思っていた、そのとき。
ふとおじさんのほうをみた瞬間、その手にしっかりと握られたスマホの画面が目に飛び込んできた。
「もう‐しつ【毛質】〘名〙 毛の性質。また、頭髪の性質。」
私の視線は画面に釘付けとなった。
おじさんは、言葉の意味をしらべるサイト「コトバンク」にて「毛質」の解説画面を開いたまま寝ているのだった。
・・・何故、この人は「毛質」の意味を調べたのだろうか・・・?
自分の毛質で悩んでいるのか・・・?いや、だとしたら読むべきはこのページではないはずだ。え、「毛質」の意味を調べるタイミングって、ある?
しかも、この画面がまったく消えない。通常スマホの画面はしばらくたつと節電のために暗くなるものだが、おじさんの手元のスマホはフルの明るさでコトバンクの「毛質」を示し続けている。眠気のあまり体はグラグラ状態のおじさんの手元だけが、微動だにせず「毛質」を表示し続けているのだ。
そんな右側のおじさんに気を取られていた私は、更にあることに気付いた。
あれ?左側のおじいちゃん・・・ボイパしてる!?
何やら口元でモゴモゴ言っているなとは思ってたけど、めちゃくちゃ小さい声で、ボイスパーカッションを、している・・・!そして、よくみたら手元は、小さくエアードラムを、している!!!
「毛質」を表示し続けているスマホを握りしめたおじさんと、エアードラムしつつボイパしているおじいちゃん。この奇跡のようなめぐり合わせの間にはさまれている私。
もはや、電車のこの一角だけに、スポットライトが当たっているのではないかというような錯覚を覚える。
なんともいえずヘンテコで愛おしいおっさん二人。
まさに一期一会。
満たされた気持ちの中で、私は再び静かに本を開いたのだった。(完)
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ニュージーランド在住の兄がドライブ中羊の大群に行く手を阻まれたそうです。
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