泥濘む・美術製作記(豊島)
月が綺麗ですねー!昨日は十五夜だったみたいですが、今日が満月だそうです。アパートの近くに畑があって、周りにも高い建物がないのでそこだけ空がぽっかり広くて、その畑越しにみる月がとても好きです。空が明るく見える。
---
前回加藤さんがブログを書いたのはその前日夜で緊張して眠れないと書いていましたが、上映後の登壇での加藤さん、引き続きばっちり緊張しておりました!緊張しすぎて突然後ろを向いたり舞台上でストレッチをし出したりアクロバティック舞台挨拶でした。明日二回目の上映で、また登壇があるので何が起こるか楽しみです。
---
さてさて、今回はですね、そんな『泥濘む』に登場する美術について紹介したいと思います~!加藤さんは不器用+衝撃的におおざっぱなので、基本的に点とでは作り物系は豊島が担当しております。(その分私はファッションセンスがないので衣装は加藤さんに丸投げです)
もちろん、予算があってかつ美術班がいたりしたらもっとずっとすごい美術になっていたと思われますが、初心者がお金ない中工夫してやろうとしたところやむを得ずこんな感じになりました、というのを紹介したいと思います。
まず一つ目は、こちら!!
映画の中で大事なアイテムとなる練り消し。登場人物のタケシが4年間こね続けて巨大化したという設定です。
この作り方は本当になやみました…。小学生の頃、渾身の力を込めてMONO消しゴムを机にこすりつけ、集めた消しカスで練り消しを作りまくっていたので1㎝大の練り消しを作るのがいかに大変かということは知っています。(ちなみに力をいれてこすりつけていると大体途中でMONO消しゴムは折れる。)
そして思いついたのは油粘土。しかし最近の油粘土、真っ白なんですねぇ。小学生のとき使っていた油粘土は灰色気味だった気がするのですがあれは汚かっただけなのでしょうか。ともかく純白の油粘土をどうにか練り消しにみせたいので汚しをかける必要があります。まず考えたのは絵具を練りこむ方法ですが、撮影中こねる度に手が黒くなりそうで嫌だ。
そして結果的にこうやって作りました。
4Bの鉛筆でノートを真っ黒に塗りつぶし、その上で粘土をこねる!…っていうのをひたすら繰り返す!!!写真に写ってる鉛筆Bだけどこの後多分4Bを買いに行きました。
これ、撮影前一週間家で毎日やってました。ふと我に返り「あれ、あたし何やってるのかな…」となることが度々ありましたが、日に日に黒ずんでいく粘土をみてニマニマしている自分もいました。ただ確実にもっと良い方法があったと思われます。無駄に手間をかけて鉛を練りこんだこだわりの逸品です。
さて、続いてはこちら。
ネタバレになるので詳細は控えますが、劇中ナイフを使ったシーンがありまして、絶対に役者さんがケガをしないよう、ナイフを切れない状態に加工する必要がありました。
そしてこうやって握れるレベルまで頑張って加工したのですが、ナイフの切れるところに死ぬ気でトンカチをぶちあてて刃先をへこます、という方法をチョイスしたので、見た目は狂気の沙汰だったと思われます。当時まだ実家住まいだった私は、見られたら親が心配するのではないかと思い自分の部屋でコソコソやろうとしたのですが、ガン!ガン!ガン!ガン!と爆音が響き渡ったので残念ながら速攻ばれました。その後ボコボコになった刃先を包むよう表面に100均の銀テープを貼り付けて完成です。刃物使う映画色々あると思うんですけども、普通はどうやるのでしょうか?
---
さて、最後に作り物ではないのですが劇中登場する部屋にまき散らしたゴミたちです。どうしても部屋をゴミまみれにしたかったので、キャストの皆さんに頼んでコンビニ弁当やカップ麺のゴミを集めて持ってきてもらいました。私はバイト先の休憩室でコンビニパスタを食べている人に目をつけ、食べ終わった瞬間「そのゴミください…」と声をかけていたらちょっと気持ち悪がられました。写真は前日夜にゴミをまき散らし終わってボーっとする加藤さん。
他にも紹介したい美術は色々あるのですが、ちょっとネタバレになるのでガマンします。気になる方は是非明日18:15~ぴあフィルムフェスティバル会場の国立映画アーカイブへ観に来てくださいませ!!同じEプログラムで同時に上映される『フォルナーリャの聖泉』と『きえてたまるか』もとても素敵な作品ですー。
お待ちしております!!!
0コメント