点と始動にあたって（豊島）

　はじめまして、豊島晴香です。この度、加藤紗希さんと一緒に「点と」という創作ユニットを結成することになりました。創作ユニットってなんだよって感じですが、どんなことをしていくのか自分でも予想できていません。しかしこの1年ほど二人で映像を作ったりプロジェクトを立ち上げたり、これまで予想もしていなかったことを色々やってきたので、そんな感じで決まりをつくらず自由にやれたら良いなと思っています。

　紗希ちゃんと初めて会ったのは私たちの母校である映画美学校アクターズコースの体験授業で、登場した瞬間華やかなオーラを振りまきつつ美学校の先輩俳優さんと仲良さげに談笑していた紗希ちゃんの姿をよく覚えています。そして当時色々悩みすぎてひがみっぽくなっていた私は、学校に入るつもりのない芸能人が興味本位でひやかしにきやがったな…！と思っていた記憶があります。（もちろん冷やかしなどではなく、紗希ちゃんは色々活躍しながらも改めて芝居の勉強がしたいとの思いで来ていたのでした。冷やかしどころかめちゃめちゃ真面目な人でした。自分の性格の悪さが悲しいです。）

　そのときの私はまさかこんなことになるとは露ほども思っていなかったわけですが、美学校で時間をすごし、卒業後も二人で企画して短編映画をつくったり活動を共にするうちに面白がりあって信頼しあう仲となり、本格的に二人でやっていこうと自然な流れで今回の結成に至りました。

　私たちはこれまで生きてきたフィールドも、得意なことも本当にバラバラで、紗希ちゃんが得意だったり良く知っていたりすることは私はてんでダメで、逆に私が得意なことに関しては紗希ちゃんはめちゃくちゃ不器用だったりします。

　だからかわかりませんが、不思議と何かを作っていても摩擦が起こることがなく、かといってお互い思ったことは言いつつ、何より定期的にぎゃははと笑いながら一緒に創作できる不思議な関係です。

　ただしこれは今のところなので、数年後決裂していたらすみません。私の今年のおみくじには「近しい人との関係が悪化する可能性がある。去る者は引き止めずに誠意をみせろ」みたいなことが書いてあったので、万が一のため、引き止めずに誠意を見せる方法を今から検討中です。

　まぁその時はそのときということで、とりあえずこれから「点と」を始動するわけですが、誰かや何かとつながり、そのつながりを楽しみながらのびのび創作していけたらなと思います。

　手探りで歩きはじめる「点と」ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

2019.1.11　豊島晴香