【思文会】Gとの闘い編(前編)(豊島)
こんにちは。相変わらず気温が上がったり下がったり天気は不安定です。皆様体調は崩されていないでしょうか?
そして4月も終わりますね。ということは平成が終わるのですね。私と加藤さんは平成元年生まれでして、自分が生まれた年から続く元号が変わるのはなんだか不思議な気分です。
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加藤さん振付&出演のドラマ、みなさんご覧になりましたかーー?我が家にはテレビがなく、ティーバーで見ようと思いつつまだ観れていないのですが、とても楽しみです。きっとかっこよく振付をしていることでしょう。
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さて、今週の思い出を文章にする会はその⑥「Gとの闘い編(前編)」をお送りします。すみません基本的には家に出た黒いやつを巡るてんやわんやなので、虫が苦手な方ごめんなさい!
それでは是非お付き合いください!!
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【思い出を文章にする会~その⑥Gとの闘い編(前編)】
大学時代、1年だけ一人暮らしをしていた。
大学は実家から大体1時間半ぐらいのところにあり通えない距離では決してなかったが、サークルが最も忙しかった2年生の頃、毎日終電で帰宅する姿を見かねた親が一人暮らしをさせてくれたのである。(実際には家の家事を全く手伝わず、やってもらって当然的な態度をとっていたために親がぶち切れ、追い出されたという経緯があったりする)
住んでいたのは、最寄り駅から徒歩3分ぐらいのマンションの7階。駅から近くてオートロックでバストイレ別、内装もきれいなのに家賃がそこまで高くない(そしてトイレが無駄に広い)謎の物件であった。
親の愛のムチによって実家を出され、一人暮らしによって生活スキルを向上させる予定だった私であったが、当時の暮らしぶりはひどいものであった。食事に関しては、バイト先である例のフライドチキン屋(参照:投げつけられたチキン編)で廃棄される大量のチキンをこっそり貰っていたので、朝昼晩フライドチキンを食べ続けるという不健康の極みのような生活をしていた。
そして、恥ずかしながら部屋が本当に散らかっていた。
これは、そもそも私が片付けが苦手ということもあるが、私の部屋が諸々の作業場になっていたという理由も大きい。所属していたミュージカルサークルの友人がしょっちゅう終電を逃して泊りに来ては、小道具やら衣装やらの作業をしたり、授業の課題の模型を作ったり、荷物置き場にしていたり、とにかくものであふれ返っている状態だったのである。
そして、この部屋には収納が全然なかった。衣類はニトリで小さいタンスを買ってそこにいれていたが、それ以外のこまごましたものをしまう場所は一切なかったのだ。
だから私は、雑貨類をすべて靴箱に入れていた。収納がないこの部屋には何故か大きすぎる靴箱があり、リフォームしたてなのかとてもきれいだったので、靴を下の段にまとめ、上の段にありとあらゆるものを収納していたのである。そしてそんな靴箱の中には当時使っていた2weekコンタクトの箱も入っていた。
その日は部屋に一人で、某フライドチキン屋のバイトに行くため出かける準備をしていた。ちょうど2weekのコンタクトを取り換える日だったので靴箱からコンタクトの箱を取り出し、コンタクトを装着するため私は部屋に置いてある鏡の近くに座ったのであった。
まず左目用コンタクトの箱を手に取る。右手で箱を傾け、中身が出てきたら受け取ろうと左手を差し出した瞬間
カサカサッ…
箱の中から、コンタクトのプラスチックケースとは明らかに異なる、黒光りした物体が手に落ちてくる。
「!!!ぎゃぁぁぁぁぁああ!」
人生で、あんな叫び声をあげたのは後にも先にもあの一度きりだ。夏の暑い時期。隣のビルに対面している窓はあけ放たれていた。(通報されなくてよかった。)
箱を飛び出したGは床に飛び降り、少し離れたところで静止している。
びっくりしすぎて硬直した私は、どうすれば良いやらわからずそいつを眺める。
まずい…どうしよう…私は後悔した。我が家には、G対策グッズが、何一つとしてなかったのだ。
実家ではGはほとんど出なかったので、危機意識が低すぎた私である。
そして7階だったので、完全に油断していたのである。
スリッパでたたいて殺すスキルは私にはない。てかいやだ、、やばいバイトいかなきゃ…でもこのまま立ち去ったら確実にあいつこの部屋のごちゃごちゃに逃げ込んで居場所がわからなくなる…あー、このままじゃ遅刻する~~
焦る頭で真剣に検討した結果、私は何を思ったかティッシュをものすごい枚数重ねてゆっくりとゴキブリの上にかぶせ、捕まえよう、という作戦を導き出した。今考えるとかぶせてどうなると思ったのか全然意味がわからないが、とにかくそのときの私にとってはそれが精いっぱいの答えだったのである。
ティッシュを両手で持ち恐る恐るGとの距離を詰める。
ファサ・・・
私の手から離れ、ふわっとカーペットに鎮座するティッシュ。
タタタタタ
逃げるG。
ビビりすぎて腰が引けている私がGにティッシュをかぶせる速度より、Gが逃げる速度の
ほうが断然、速かった。というか上手くかぶせたところで多分、何にもならなかった。
そしてGが逃走した先は冷蔵庫の下。
ジ・エンド。
そんなところに逃げ込まれては、なすすべはない。なんせアースジェットは今この家にはないのだから。
そして時計の針は今すぐ家を出なければ遅刻する、というところまで進んでいた。私は冷蔵庫の下にいるであろうGの存在感を強く感じながら、泣く泣くバイトへと出かけざるを得なかったのである。
…そしてその夜から、Gの陰におびえながら暮らす地獄の生活が幕をあけるのであった…。(続く)
今日は大学時代に所属していたミュージカルサークルの友人の結婚式でした。余興ミュージカル用に飾りつけしたド派手帽子。小道具とか作るのが本当に好きです。
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