【思文会】その⑨~オリジナル虫キャッチャーと気になるあの子との再会編(前編)(豊島)
梅雨なのにあんまり雨が降らないなぁと思っていたら、今日はどしゃぶりでしたね…!
今週は月が綺麗な夜が多くて、あんまり綺麗なので部屋の窓を開け放って月見酒などしてしまいました。
満月の光にパワーを貰い、なにもかも上手くいくような気持ちになってお風呂に入り、風呂上がりに化粧水を顔に叩きこんでいたところ、違和感が…。
浮かれすぎた結果間違えてコンタクトの洗浄液(こすらなくても汚れがとれる強いやつ)を顔に叩きこんでいました。即座に死ぬ気で洗いました。満月のばかやろー!
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思い出を文章にする会その⑨~オリジナル虫キャッチャーと気になるあの子との再会編(前編)
やがて、何か用事があった兄が、「じゃ行ってくるわ」と立ち上がり、部屋を出ていく。
「いってらっしゃーい」とテレビから目を離さず言う私。
「ガチャン」兄が閉めたドアの音が鳴り響いた、まさに、本当にその瞬間だった。
「ぶぉぉぉぉん!」
どっからふって来たのかわからないが、巨大なハエみたいな謎の虫が突如テレビをみていた私の上空に現れたのである。
「ひぃぃぃ!」
私は、羽の生えた虫というのが本当に苦手である。私の実家は八王子にあり、山を切り開いた土地なのでそこそこ虫が多かった。家の中にカナブンが紛れ込むこともしばしば。極たまにベランダにクワガタが降臨することもあった。クワガタはまだいけるが、カナブン含め羽の音を無駄にならして飛び回る虫が出た際には自分の部屋に即刻避難し、父か母がどうにかしてくれるまで扉をしめきって過ごしたものである。
だがしかし、唯一頼みの綱である兄は今出て行ってしまったばかりだ。「なんでこのタイミングで現れるんだよバカヤロー!」とイライラしつつ虫が自分の周囲に近づかないよう警戒していると、そいつは余裕しゃくしゃくとフローリングに降り立ったのであった。
シーン…。巨大羽虫の羽音がやんだ室内に静寂が訪れる。そいつは落ち着いてしまったのか、そこから再び飛び立つ気配はない。
塾に行くまでにはまた時間があった。このまま私の部屋に避難し、出かけるまで閉じこもることはできるが、今このリビングに誰もいない以上、こいつがどこかに隠れでもしたら私はしばらくの間恐怖でテレビを見に来れなくなるだろう…。(今気づいたが10年後自宅アパートにGが出た際の思考回路と全く同じである)
そこで当時の私は、どうにかして巨大羽虫を退治することを決意したのである。
さてどうするか。まずは誰でも思い浮かぶであろう、「アースジェットを噴射」という選択肢について検討を開始。幸いにも廊下の棚にアースジェットが入っていた気がする。
アースジェットを手に巨大羽虫に立ち向かう自分をイメージ。近づく→アースジェットを向ける→ノズルを押して噴射する→「ぶぉぉぉぉん!」…ぎゃー!絶対、アースジェット噴射した瞬間に飛ぶ!!!飛んで暴れてこっちに迫ってくるのとか、本当に無理だ!
羽虫相手にアースジェットで刺激を与えるのはリスクがデカすぎるという結論に達したためボツ。
次に、丸めた雑誌で叩く。…かなりの至近距離に行かないと実行できない。同様に飛ぶリスクが高いのと、仮に成功したとしてその死骸と雑誌の処理やらなにやらが、嫌。
そして、私は気づいたのであった。
「別に殺さなくても、捕獲さえできれば良い!」
とりあえず捕まえて移動できない状態にさえすれば、後の処理は夜誰かにお願いできるわけだ。
ここから私の虫捕獲大作戦がはじまる。とりあえず、絶対に近づきたくない。捕まえたら見たくない。そして私が塾へ行っている隙に脱走するようなことは必ずや避けたい。
そして家中の長いものを集め、オリジナル虫キャッチャーの作成を開始。とりあえず、家にある長いもので真っ先に思いついたのは1mの竹尺である。この竹尺は狭い隙間に何かが落っこちた際に掻き出すなど、我が家では大変重宝されている便利グッズである。
そして次に手に取ったのは台所に干されていた使用済み牛乳パック。牛乳パックの上部の部分をハサミで切り取り、ひっくり返したときの安定感を確保。この牛乳パックの底をガムテープで竹尺にしっかりと固定。これで1m離れたところからカポッと牛乳パックをかぶせれば確保ができるというわけだ。
そして、竹尺の一番端っこを持って、恐る恐る、床の羽虫に、近づく…
………。
ダメだ!1mだと短すぎる!!万が一飛んだ時に逃げられない!!!今にもましてビビりだった私にとって、わずか1mの至近距離から羽虫に立ち向かう
ことなどとてもじゃないけど無理なのであった。
…なんとかより遠い位置から捕獲を試みることのできる装置を開発せねば。他に家にあるもので使えそうな長いもの…傘だ!!!
そして私は、自分の傘を持ってきて竹尺の端にガムテープでぐるぐる巻きに固定し、ついにオリジナル虫キャッチャーは2m近い長さへ進化を遂げたのであった。
塾の時間は迫る…その日、外では雨が降っていた…(続く)
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