今週のお題:寿司(豊島)

こんばんはー。今日まで本番だったのですが、諸々事情があって打ち上げは後日ということになったので、ずっと気になっていた家の近くの中華料理屋で瓶ビール片手にめちゃめちゃいっぱい一人で食べました。「行きつけの店」に憧れているのですが、これから通って店主と奥様に顔を覚えられたいです。


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前回加藤さんがあげてくれた新企画のタイトルで気になったのは「かすれば良し」と「書いたり撮ったりする」です。(と言いながらもタイトルは今週のお題にしてしまった…)でもこの企画、実験みたいなイメージがすごいあって、そういう要素も入ってるといいな~。個人的にはめっちゃ気軽にためせる実験の場にしたいのです。こないだの加藤さんの「頭痛」写真面白かったな。

ということで、もうちょっと考えてみて~~~!


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さて、今回のテーマは「寿司」。今回も筆の赴くまま(使い方あってますか?)にツラツラ書いてみました。ながっ。意外に短くまとめる方がむずいことに気付きました。。。すみません。時間あるときに良ければよんでください!


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「寿司」


皆様、本日はようこそお越しくださいました。


この秋谷産業が、研究に研究を重ね、ついにリニアモーターカーを完成させてはや5年。


我々は、リニアが完成したその日から、これからはあくまでJRさんが主役、役目が終わった我々は表に出るべきではないと、後方に引き下がりひっそりとすごして参りました。


しかし、「三度の飯より探求心」を社訓に掲げている我々、当然のことながらリニアの完成にうつつを抜かして探求を怠っていたわけではありません。


我々がリニアの次に注目したのは日本人の心、「寿司」。それも子供たち、いや老若男女全ての夢と希望が詰まった「回転ずし」、でございます。


先日プレスリリースをさせて頂きました通り、弊社はリニアモーターカーで培った、磁気浮上システムの技術を回転ずしに転用し、この度世界最速でお届けが可能な高速回転ずしシステムの開発に成功したのであります。その名も、回転ずし即時お届けシステム「へゐお待ち!」。


寿司職人が握った寿司を皿に載せてからお客様のお手もとに届くまで、その平均時間はわずか0.62秒。磁気浮上式を採用しておりますので、遠心力でお皿がコースアウトする危険性ももちろんございません。これはリニアモーターカーがカーブする際に決してコースアウトしないよう、1万回以上の試走を重ねてきた弊社の実績がございますゆえ、ご安心頂けると思います。


更にお皿にはどんな質感のシャリでも確実にフィットする最新技術を利用した凹凸を採用しておりますので、皿から寿司が零れ落ちることもございません。


こちらについては後日また記者会見をさせていただきますが、お米の形がかなり日本米と異なるタイ米ですらフィット率97.25%(当社調べ)と、非常に汎用性の高い凹凸の開発に成功いたしまして、特許も取得しております。こちらの技術で皿とシャリの分離を防ぐことが可能となりました。


しかし。ただ一つ、我々にはどうすることもできない問題がございます。


…もうお分かりですよね。そう。シャリとネタの接着についてです。


シャリとネタ。これは、十人十色の職人さんこだわりの「握り方」の産物なのであって、当然、私共には到底立ち入ることのできない、いや立ち入ってはいけない領域なのであります。


我々秋谷産業は、最新技術で人々の暮らしを豊かにするとともに、古き良き伝統を守る、ということも肝に銘じ、創業以来開発につとめてまいりました。創業者である秋谷貫太郎は歌舞伎をこよなく愛し、自身も日本舞踊の名手だったことから、「我々の技術が文化を破壊するとき、わが社の歴史は幕を閉じなければならない」と毎日のように先代社長、残念ながら去年亡くなりましたけれども、息子である先代社長に言い聞かせていたといいます。


しかしそれでも、やっぱりどうしても、より早く、職人さんの握りたてほやほやの上手いお寿司をお客様に提供したい、これはリニア開発を成し遂げた先代社長の、次の悲願だったわけであります。日本の素晴らしい文化であるカウンターのすし屋の質を、より門戸が広い回転ずしでも提供したいと強く願っていたわけです。


そこで我々はこういった結論に達したのであります。まずは、空気抵抗の少ないネタ、またシャリとの密着度合いの高い、つまりシャリとずれにくいネタは何かを研究し、我々の技術に耐えうるネタだけを提供するところから始めるのが良いのではないかと。


前置きが長くなりました。本日この有明コロシアムにお集まりいただいたのは、他でもありません、我々の最新技術を知っていただくため、また、我々の研究を皆様にも見守っていただき、ネタとネタの熱きバトルを見届けていただくため。


そして何より、日本人の心である「SUSHI」を今よりももっと好きになっていただくため。


さぁ、それでは心の準備は良いでしょうか?


では参ります。


時速600キロを耐え抜け!秋谷産業プレゼンツ、寿司ネタ・シャリしがみつき選手権!!!


(場内、割れんばかりの歓声と拍手。そして各寿司ネタの入場・・・)


(終)


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お寿司じゃなくておむすびの写真。
今回の舞台の上演中に握られたものです。


次の加藤さんへのお題は「各駅停車」でお願いしますー!では!!

点と___web

加藤紗希と豊島晴香による創作ユニット[点と]のウェブサイトです。

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