【思文会】その⑮～期待と挫折のコインランドリー編（後編）（豊島）

いやぁ～夏ですね！本当に、梅雨があけるとこんなにも季節が変わるもんか！と当たり前のことを感じています。なんか今までそんなに梅雨→夏がパキっと入れ替わるイメージがなかった。今年はやっぱり梅雨が長かったし本当に雨ばっかりだったからそう感じるのかしら。

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加藤さんのMVみましたか？加藤さん＆泥濘むに出演してくれた高羽君がW主演で楽しかったです～。他の人全員地毛なのに、加藤さんだけヅラ感全開の金髪ロングで笑いました(笑)

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さて、コインランドリー編の後編です！どぞ！！

【思い出を文章にする会その⑮～期待と挫折のコインランドリー編（前編）】

[前回の振り返り]

ドラマなどでコインランドリーへのあこがれを募らせていた私は、自室のラグマットが家の洗濯機に入らなかったためついにコインランドリーへ向かうことを決意する。浮かれ気分でコインランドリーへ足を踏み入れたのもつかの間…お札が使えない・お釣りが出てこないなど年代物の洗剤自販機に四苦八苦し出鼻をくじかれる。

ようやくドラム式洗濯機にラグマットと粉末洗剤を放り込み、スイッチを押すところまでたどり着いた私。しかし、なぜかボタンを押しても水が出てこない。そして蓋をあけると中は熱を帯びている。コイン投入口をよくよく見ると、そこには、「乾燥機」と書いてあったのであった…。

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…？……乾燥機……！？

私はわが目を疑った。そんなばかな！こういうのは上が乾燥機、下が洗濯機というのが定番ではないか！…もしかして、上の機械のコイン投入口に間違ってコインをいれてしまったのか？上の機械を見る。いや、あそこにも別の投入口あるよな…じゃあまさか上が洗濯機っていうパターンなのか…？

上の機械のコイン投入口に顔を近づける。

「乾燥機」

お隣の下段の投入口に顔を近づける。

「乾燥機」

お隣の上段。

「乾燥機」

・・・。

ただの乾燥機コーナーやないかーい！

「最新のドラム式洗濯機」「ホテルなどでよくみるコインランドリーは上下二段式」これらの固定概念により、私の目には上段の機械と下段の機械が違う機械であるかのように映っていたが、落ち着いて見てみると全部、寸分たがわず全く同じ乾燥機がぎっしり並んでいたのであった…。

まったくなんてわかりにくいんだ！全部乾燥機なら、もっとでっかく「乾燥機コーナー」って書いといてくれないとわからないじゃないか！！！おじいちゃんおばあちゃんとかあんな小さく書いても気付かないぞ！！！（気付かなかったのは私である。）

イライラとしながら乾燥機の蓋をあけ、ラグを取り出そうとした私はあることに気付く。

・・・やばい、粉末洗剤、中にぶちこんじゃった・・・！

その瞬間私の脳裏に浮かんできたのは、私がぶちまけた粉末洗剤によって乾燥機が故障し、数十万円の賠償を請求される未来である。サーっと血の気が引いていく。

静かな室内、読書をしながら仕上がりを待つ穏やかな時間、居合わせただれかと交わされる他愛もないおしゃべり…。こんな素敵コインランドリー時間を思い描いていた1時間前の私。

誰か来る前に証拠いんめぇぇつ！と、目をギンギンに見開きながら、大慌てでアツアツの乾燥機内に散らばった粉末洗剤を一人手でかき集めている現実の私。

情けない自分にほとほと嫌気がさすが落ち込んでいるひまなどない。当初その汚さから使用を回避した縦型洗濯機に乾燥機から取り出したラグをぶち込み、目視できる限りの粉末洗剤を取り除いたころにはもう私は汗だくになっていたのであった。

空っぽの乾燥機の蓋を閉め、もう一度スタートボタンを押してみる…問題なく動く。よし、多分壊れてない…。ホッとしながら残り時間が大量に残っている乾燥機の終了ボタンを押す。さよならあたしの300円…。

だが、心配性の私の中に不安はまたむくむくと湧き上がる。もしこのあとしばらくして、故障してしまったら…？業者が原因を調査する→大量の粉末が機械に入り込んでいることを発見→なんでこんなところに粉が…？→監視カメラをチェックする→そこに写りこんだ、粉末洗剤を乾燥機にぶち込む女の姿→オーナーが警察に相談→犯人を突き止めた警察がうちのインターホンを押す→手錠をかけられた私の両手…ひぃぃぃぃ～！

即座に室内に設置されているかもしれない監視カメラを探し始める。誰もいないコインランドリーでキョロキョロ歩き回りながら天井付近を凝視している私は、はたからみたらもはや完全に不審者だったであろう。

…よし、とりあえず、監視カメラはなさそうだ。最悪、壊れてもばれない！！！

まぁ冷静に考えてみれば粉末洗剤を投入するだけで機械が壊れていたら、すすぎが足りなくて洗剤の塊がのこっちゃった洗濯ものを乾燥する度に故障してしまうだろう。だからそんなことはまずありえないのだが、私は何せ変なところで気の小さい人間なのである…。

その後は、こちらも四苦八苦しながらなんとか縦型洗濯機で洗濯を実行し、再び300円を払うのも癪なので乾燥機は使わず濡れたまま家に持ち帰ってラグをベランダに干したのであった…。（ちなみに洗剤を再度買うのも癪だったので、乾燥機から取り出したラグに洗剤がまとわりついていることを信じ、こちらも追い洗剤はせずに洗濯しました）

こうして、私の初めてのコインランドリー体験は幕を閉じた。

そしてこの日を境に、私の中のコインランドリーのイメージは大幅に姿を変えたのであった…。(完)

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最近出し忘れてしまう加藤さんへの次のお題は直球で「夏」にします！