【思文会】粉々になった弁当箱編(豊島)
今日はびっくりするぐらい寒いですね…!もう春にむかってまっしぐらだと思い込んでいたのでふいうちでした。道端ではいろいろな花のつぼみがほころんできていますが、春はもうすこしお預けみたいです。
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前回の加藤さんのおいっこちゃんの写真、本当にかわいいですねー。
実は加藤さんのおいっこちゃんが生まれる半年前ぐらいに私もおいっこが生まれたのですが、兄が仕事の関係で海外におり、なかなか会えなくて寂しいです。しかしながら、髪の毛が生えかけたところで突如ほとんどぬけた(赤ちゃんは生え変わるものらしい)のにコメカミにだけ一房毛が残り、ほとんど波平みたいな髪型になったり、おもちゃを必死の形相で口に入れようとして不動明王みたいな顔になっていたり、たまに送られてくる写真がかなりツボをついてくる面白さなので(もちろんとても可愛い)、将来をとても期待しております。
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さて、今週の思い出を文章にする会は一話完結編です。
かなりささいでしょうもない話なのですが、すみません。というかいつもしょうもないですが…!
気楽によんでくださいー。
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【粉々になった弁当箱の話】
あれは夏だったか冬だったか。季節はいまいち思い出せないが、中学生の時の出来事。
私は中学3年生で、だから14歳か15歳だったのだと思う。
当時私たちは理科の授業で畑作業をしており、毎日放課後には育てていたスイカの畑に水やりをせねばならなかった。
なかなか面倒くさかったが、スイカの花が咲き、それが落ちて実ができて、ちょっとずつちょっとずつ大きくなっていく様をみるのは楽しかった。(ちょっとずつすぎて完成形はものすごく小さかった。でもちゃんと甘かった)このときの影響か私は今でも家庭菜園願望があり、そのためにベランダが広い物件をわざわざ選んだものの、めんどくさくて植木鉢すらかっていない現状である。
そんな、畑に水やりを終えたあとのお話。
授業が終わった後、一緒にスイカを育てていた友人と2階の教室から畑へと向かい、いつものように私たちは水やりを終えた。このころはすでに部活も引退していたので、あとはもう家に帰って受験勉強をするだけである。友人たちはみんな準備良く帰りの支度をし、カバンを持って降りてきていたが、私は段取り悪く2階の教室にカバンを置きっぱなしにしたままだった。
このまま一緒に帰りたいが、私だけもう一度玄関に行き、下駄箱で上履きに履き替え、階段を上り、はじっこの教室までカバンをとりにいかねばならない。
めんどくさ、、、
こう思ったのが間違いの始まりであった。私はとてもめんどくさがりで、それゆえ何かを後回しにしたり、はしょったりし、結果ますますめんどくさい事態になる、ということが本当によくある。よくあるのだが、それで起こった事件を嬉々として人に話す癖があるので反省が足りず、また同じような過ちを繰り返し続けて今にいたる。
ぴかーん。めんどくさい気持ちに包まれた中3の私はひらめいた。
「おーーーい!」
当時在籍していた3年4組の窓にむかい、教室にまだいるはずの友人の名前を叫ぶ。
友人が気付いて窓から顔を出す。
「私のカバン机の上にあるんだけどさー、上から落としてー!」
後から考えれば本当に馬鹿だったのだが、2階に取りに行きたくないばっかりに、私は2階の教室の窓からカバンを放り投げてもらう、という手法を思いついたのだった。よっしゃ、これで手間がはぶける。
友人はとても素直だった。私の机からカバンをとってきて、窓の外へその手をのばす。
「いくよー!」
私はカバンを受け取るべく確実にキャッチできるであろうベストポジションに立ったのち、友人を見上げながら手をのばす。
「お願いしまーす」
もはや気分は関口宏の東京フレンドパークⅡである。絶対に、キャッチしてみせる…!
そしてついに友人が手をはなす。
「うぎゃぁーーー!」
その瞬間、私のスクールバッグは、信じられない速度で落下してきたのだった。
受け取るどころじゃない。当たったら、確実にやばい。反射的にそう思った私はギリギリでカバンをよける。
ちなみに、ネットサーフィンのたまものだが中3のスクールバッグの重さは推定6㎏、2階の教室が推定11mぐらいかと思われるので、サイト(便利!)で自動計算したところスクールバッグの落下速度は時速50㎞程度だったのではないかと思われる。時速50㎞が良くわからなかったのでスポーツで例えようとしたところ、該当するのは水泳の飛込で入水する瞬間…。全然わかんない…。
ダァン!!!!
スクールバックが落下したコンクリートの地面から、砂ぼこりが舞う。
「・・・・・・」
あっけにとられて静まり返る一同。
「大丈夫!?」
落としてくれた友人が上で青い顔をしている。
「うん、大丈夫…」
そう、私自身は即座にスクールバッグを裏切り逃げたので、全くの無傷なのであった。
だがしかし、心配事が一つ…。
カバンの中には、美術の授業で一生懸命製作していた、透かし彫りの彫刻が入っていたのであった。美術の創作がとても好きだった私は、授業時間だけではあきたらず、家で更に作業を進めようとカバンにいれていたのである。
恐る恐る、スクールバッグのジッパーをあける…。
教科書はやぶれていない。カバンに穴もあいていない。教科書と教科書の間に、木彫りの彫刻が見える。
「あ…」
彫刻は、木目にそって真っ二つに割れていたのだった。
かなり精密に作っていたので若干落ち込みつつ、しかしこんな暴挙を働いて割れたことが先生にばれたらまずいので、割れ目でぴったりと接着すればごまかせそうなことを即座に確認。
こうして私は地球の重力の不思議を身をもって感じつつ、帰路に就いたのであった。
「いやぁぁぁぁ!」
母の叫び声が台所から聞こえたのは、家に帰って、自分の部屋で受験勉強を始めようとしたときであった。
うちの母はわりとオーバーリアクション気味なところがあるが(ちなみにこれは遺伝している)その日の叫び声は今まで聞いたことのないようなものであった。
「お母さん!!!どうしたの!」
母に何かあったのかと、焦って台所に向かう私。
母親は、私のお弁当バッグのジッパーをあけた状態で、茫然と中身をみつめていた。
のぞきこむと、私の紳士用弁当箱(4分の3が白米だったあの弁当箱※前々回参照)が入ってるはずのそのバッグに入っていたのは、ほとんどコーンフレークみたいなサイズに砕けた、粉々の弁当箱の破片なのであった…。
バッグの素材がしっかりしていたのか、私は何も気づかずにコーンフレーク状の元弁当箱を洗いに出したのである。強い衝撃を与えると、弁当箱はガラスみたいに割れることが、この日判明したのであった。
その後、一瞬いじめられているのではと心配されたのちこっぴどく叱られたのは言うまでもない。
そして、私の弁当箱は2代目の紳士用弁当箱になった。この弁当箱は、お小遣いから自腹で買わされたのであった。(完)
蕾がほころびかけていた近所のお花。
本当は割れた木彫りの彫刻をアップしたかったのですが一時的に行方不明になってるそうであげられませんでした。このお花、来週ブログ書くころには満開になってるだろうなー!
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